赤毛のアン 村岡 松本

プリンス・エドワード島の村、アボンリー。独身のマリラとその兄マシューは、孤児院から男の子を養子に迎えることに決める。だが約束の日、駅に降りたのは、アン・シャーリーという11歳の赤毛の女の子だった。マリラはアンを送り返そうとするが、明るくおしゃべりなアンに心を動かされ彼女を引き取る。

『赤毛のアン』は、カナダの女流作家モンゴメリの名作。村岡花子訳のものが好きだけど、他の人の翻訳の『赤毛のアン』も、それぞれ特徴があって良いみたい。今回は完訳版かそれに近いものを中心に、翻訳者別にまとめてみるよ。目次『赤毛のアン』最新情報・お得情報はこちら。【ドラマ『アンという名の少女』がNHKで放送決定!】 Anne of Green Gables 初版本の表紙[Public domain]日本では、村岡花子の翻訳により、三笠書房より1952年、のちに新潮文庫より1954年に出版。ルーシー・モード・モンゴメリの著作の中で最も有名な1冊でもあり、多くの出版社から刊行されている。モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、新潮社、2008年 児童文学の名作とされている『赤毛のアン』。 じつは、大人になってから読むと、味わいが倍増する作品でもあるよ。 ももちん 今回は、新潮文庫刊の村岡 ...続きを見る上段左から『赤毛のアン』『アンの青春』『アンの愛情』『アンの友達』『アンの幸福』モンゴメリ著の『赤毛のアン』シリーズは、全10巻で構成されている。シリーズ全巻は、新潮文庫のシリーズ書評記事一覧はこちら。 「赤毛のアン」愛と希望と幸福の書。英文学100か所引用の芸術的作風。主な人物はスコットランド系とアイルランド系のケルト。イエスの聖杯探索に基づくキリスト教文学。児童書でも少女小説でもない、大人の文学。初の全文訳・訳註付は文春文庫です — 松本侑子Yuko「赤毛のアン」で幸せに (@officeyuko) 松本侑子による全文訳は、すでに集英社文庫より『赤毛のアン』『アンの青春』『アンの愛情』の3作が刊行されている。今回のシリーズも5作目まで刊行が決まっていて、これまでの集英社文庫では読むことのできなかった新しいアンに出会える。シリーズ全巻の刊行も期待。 モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、新潮社、2008年新潮文庫は、株式会社新潮社が発行している文庫レーベル。新潮文庫が毎年夏に行うキャンペーン 村岡花子訳の『赤毛のアン』は、三笠書房より1952年、のちに新潮文庫より1954年に出版された。『赤毛のアン』の定番と言えば、この村岡花子翻訳の新潮文庫版をあげる人も多いと思う。村岡訳の特徴は、原文に忠実に訳すことよりも、時代も国も違う小説の中で、日本人にはなじみのない文化や礼儀についての注釈がほとんどない。2008年に新しく刊行された新潮文庫の『赤毛のアン』は、それまでの村岡花子訳に、孫の村岡美枝による補訳が加えられた。厳密に言うと、全文・全単語を訳しているわけではないけど、内容的に省略されている部分はみあたらず、ほぼ完訳と言える。電子書籍版あり。シリーズ全10巻+『アンの想い出の日々 上・下』刊行。529ページ、新潮社、2008年。「おお、ダイアナ」やっとのことでアンは、手を組み合わせ、ささやくような声で言った。日本ホテル協会『HOTEL REVIEW』4月号(1956年4月10日発行)より村岡花子 [Public domain] 日本で初めて『赤毛のアン』の翻訳をした村岡花子。その人生と作品を紹介するよ。 ...続きを見る モンゴメリ『赤毛のアン』掛川恭子訳、講談社、2005年講談社文庫『赤毛のアン』シリーズは、2005年刊行された。また、原文に忠実に訳している。先に読んだのが村岡訳なので重要語句の訳がちがうと違和感があるけれど。表紙カバーのイラストも美しい。大人の本棚にも似合うすてきな装丁だよね。シリーズ全10巻刊行。544ページ。講談社、2005年。「ああ、ダイアナ、」両手をしっかり握りしめたアンが、やっとのことで、ささやくような小さな声でいった。 モンゴメリ『赤毛のアン 完訳赤毛のアンシリーズ1』掛川恭子訳、講談社、1990年講談社では、2005年に文庫化される前に、「完訳赤毛のアンシリーズ 1-10」が刊行されている。(1990年~1991年)ハードカバーでしっかりした作り。児童向けでひらがな表記が多い。吉本ばなな『TSUGUMI』の表紙絵も手がけた、銅版画家の山本容子の挿絵が入っていて、豪華。巻末の訳者あとがきで、『赤毛のアン』や作者についての解説を、写真や地図をまじえて掲載。全10巻にわたり、少しずつ巻末で解説している。「ああ、ダイアナ、」両手をしっかりにぎりしめたアンが、やっとのことで、ささやくような小さな声でいった。 「赤毛のアン」。ギルは詩「ライン河畔のビンゲン」を暗唱、恋の一節を語りながらアンを見つめます。私は1994年に詩をハーバード大図書館で読み、日本初の全文訳「赤毛のアン」2000年で意味を解説。ドイツのライン河畔のビンゲンに行きました — 松本侑子Yuko Matsumoto (@officeyuko) 初版は1993年。日本で初めての注釈付き完訳版だった。集英社文庫では2000年に出版された。文庫化にあたって、訳文を全面的に見直し大幅に改訂を加えた。原文に忠実に、全文を訳している。『赤毛のアン』には、聖書やシェイクスピアの文学からの引用もたくさん入っているんだけど、村岡訳ではそれの説明を省いている。このまた、松本侑子本人の現地取材による口絵写真資料やプリンス・エドワード島の地図などの歴史資料も充実している。ただ、物語と注釈を交互に読みながら進めていくので、物語に没入できない感じがある。続編『アンの青春』『アンの愛情』刊行。564ページ。集英社、2000年。 とうとうアンが、もじもじと指を組み合わせながら話しかけた。「あのう、ダイアナ」ささやくような小声だった。 『赤毛のアン (角川文庫)』モンゴメリ作、中村佐喜子訳、角川書店、1957年角川文庫『赤毛のアン』は、1957年出版された。格調高く、且つ温かみのある訳文によって親しまれ、村岡花子訳の新潮文庫版とともにロングセラーとなった。村岡花子と同時代の訳ということもあって、どことなく言い回しも似ているところがある。中村佐喜子の訳の方が「アボンリー」を「エヴォンリー」、「マシュウ・カスバート」を「マシュウ・カスバァト」とするなどの違いがある。続編『アンの青春』『アンの愛情』刊行。423ページ。KADOKAWA、1957年。「ねえ、 ダイアナ」やがてアンが、手を組み合わせながら、かすかな忍び声で言った。 『赤毛のアン』モンゴメリ作、神山妙子訳、グーテンベルク21、2012年旺文社文庫『赤毛のアン』は、1973年出版された。旺文社文庫版は絶版。同じ内容のものを、グーテンベルク21の電子書籍版で読むことができる。制作当時、もっとも完訳に近く、原書に忠実な訳であったことから選ばれたんだ。試し読みしてみたけど、くせがなく易しい言葉で表現されているから、読みやすい。明快で切れの良い言葉遣いが特徴。続編『アンの青春』刊行。258ページ、グーテンベルク21、2012年。「ねえ、ダイアナ」アンは両手をしっかりと組み合わせ、ほとんど聞きとれないような小声で言った。 『赤毛のアン【注釈版】』モンゴメリ作、ウェンディ・E.

【赤毛のアン】を一番初めに知ったのは、小学生の時叔母からクリスマスプレゼントにもらった本からです。その本は児童文学として出版されていた省略部分の多いアンでした。探偵小説や冒険小説が好きだった私はその時ははっきり言ってそれほど面白いと感じませんでした。 【赤毛のアン】を一番初めに知ったのは、小学生の時叔母からクリスマスプレゼントにもらった本からです。その本は児童文学として出版されていた省略部分の多いアンでした。探偵小説や冒険小説が好きだった私はその時ははっきり言ってそれほど面白いと感じませんでした。 今日はどんな本読もうかな。 ももちん夫と猫たちと山梨在住。海外の児童文学・絵本好き。