羊と鋼の森 本当に 弾い てる

毎日の中で見つけるいろいろなコトに、40代主婦aikoが感じるままに発信します。  さて、本日は、「台風」が近づいていることもあって、「4回目」は、残念ながら「見送り」となりましたが、その代わりに、映画で採り上げられた曲を、「すべて」ではありませんが、この記事で紹介してみることにしましょう。 映画で「初共演」となった、現実でも「姉妹」である、上白石萌音さん(1998-)、上白石萌歌さん(2000-)の二人。劇中(原作)の「佐倉姉妹」は、「双子」という設定ですが、まさに「ピッタリ」です。ビジュアル的にも「美しく」て見とれてしまいますが、その、「ピアノ」のシーンは、「プロ」と言ってもおかしくないほどの「迫力」でした。 過去にも、ピアノ作品が、出演者によって弾かれた映画作品がありました。それは、赤川次郎さん(1948-)原作の「死者の学園祭」(2000年8月映画公開)ですが、ショパン(1810-49)の「スケルツォ第2番 変ロ短調 op.31」(1837)がとても「印象的」でした。ここでも、当時、「映画初主演」となった深田恭子さん(1982-)たちが、「練習」をして、「実際に」ピアノを弾いたということで話題になりました。 意外に思われるかも知れませんが、私は、ラヴェル(1875-1937)や、ことに、「ショパン」のピアノ曲を、これまで、「集中」して聴く機会があまりありませんでした(これは、傾倒したピアニストの影響も多分にあります)。今回の映画、「羊と鋼の森」では、ラヴェルや、ショパンの曲を中心に、多くの曲が使われていますが、宮下奈都さん(1967-)の原作では、曲についての記述はほとんどなく、映画制作の段階で「選曲」されたということです。しかしながら、あまりにもイメージが「ピッタリ」で、そんなところにも「驚かされた」ものでした。 最初に、姉の「和音(かずね)」(上白石萌音)が弾くのがこの曲です。ラヴェル作曲の「jeux d'eau "水の戯れ"」(1901)(原題は、「噴水によるアート」といったニュアンスです)。 たとえば鍵盤調整。鍵盤の高さや深さ、バランスを調節し、動きをスムースにするための大事な工程だ。鍵盤を持ち上げると緑のフェルトがあり、その下にはパンチングと呼ばれる丸い紙が挟まれている。 「ここまでは技術と経験を積んでコツコツ努力すれば何とかできるかもしれません。でも最終的に出てくる音、そのピアノの個性を決定づけるのはやはり『調律技術』。ここですべてが決まります」  この「難曲」を、「自在」に弾き切ることで、由仁は和音に「プレッシャー」を与えます。「技巧的」に難しいだけではなく、多彩な要素が盛り込まれた、「集大成」的な作品であることから(事実、ラヴェル「最後」のピアノ独奏曲です)、演奏家の「解釈」も「様々」であると言われます。上白石萌歌さんも、この曲には大変「苦労した」ということですが、映画では、何かに「憑かれた」ような(「鬼気迫る」)、そんな「迫力」を感じました。 続いて、「佐倉姉妹」(上白石姉妹)以外が弾いていた曲から。 こちらは、「孤独」な青年、南隆志(森永悠希)が弾いた曲、ショパンの「子犬のワルツ(「ワルツ第6番」 op.64-1)」(1846-48)です。
調律師の養成学校を卒業後、「調律のためにはピアノそのものを知らなければいけない。ピアノを作ってみたい!」と単身渡独。ドイツ語はまったくしゃべれない。曰く「熱意だけで」ピアノの製造工場への就職を決めた。その後、師匠となるピアノマイスターと出会い調律の奥深さを学ぶ、という異色の経歴の持ち主である。 さて。

「私が追求してきた“音”は間違いじゃなかった」。中野さんが嬉しそうに語るこの言葉の奥底には、映画の主人公も悩み苦しんだ調律師としての大事な命題があった。  曲を聴いていた外村(山崎賢人)が、「森の水辺」をイメージする通り、「フランス印象派」の名曲ですが、まだ、「パリ音楽院」在学中だった頃に書かれた作品ということです。当時の作曲の師である、フォーレ(1845-1924)に献呈されています。 続いて、帰って来た妹、「由仁(ゆに)」(上白石萌歌)が弾くのがこの曲です。ショパン作曲の「練習曲 op.25」(1832-36)より、「第9番 蝶々」。 これは鍵盤の高さを調節する道具の一つ。厚さは0.03㎜〜0.06㎜。パンチングの厚みや枚数で鍵盤の深さを調整するこの厚さを変えることで鍵盤の沈む深さが変わり、自ずとタッチ(弾き心地)も変わる。1㎜にも満たない極薄の紙がピアノの音色を変えるというのだ。  ベートーヴェン「中期」を代表する「最高傑作」として、「交響曲第5番 ハ短調 op.67(「運命」)」(1807-08)とともに名高い、この「ピアノソナタ "熱情"」。「第8番 ハ短調 op.13 "悲愴"」(1798-99)、「第14番 嬰ハ短調 op.27-2("月光")」(1801)とともに「3大ソナタ」と呼ばれる他、「第21番 ハ長調 op.53("ヴァルトシュタイン")」(1803-04)、「第26番 変ホ長調 op.81a "告別"」(1809-10)と並んで、「中期3大ソナタ」とも呼ばれています。 さて、この「名曲」ですが、映画の中では、「演奏家」より、直々に「指名」されたという板鳥(三浦友和)が、「コンサート会場」で調律を行なうという場面でもありました。ここでは、「ピアノのキャスターの向きを変えて、音の飛び方を変える」という、1つの「キーポイント」となる場面があり、これは、後々、外村にとっても、大変「大きなヒント」となったものでした。 そして、劇中で実際にこの曲を弾いた、「ラインハルト・ゲルツァー」(「ドイツの巨匠」)こと、ミハウ・ソブコヴィアクさんは、ポーランドの出身の「ピアニスト」、つまり、「本物のプロ」の演奏家なのです!! 反り曲がった板、ミシン針を何本も射した棒っきれ、謎の形をしたドライバーのような道具…… ある日、ショールームに響きわたるピアノの音に衝撃を受ける。それは同社を引退した大先輩がたまたま来社し、調律したピアノの音色だった。 ときに優しく、ときにキラキラ輝くように。 長い調律師人生において中野さんは、何度もピアノから離れようとしたという。でも結局、辞めることはできなかった。 「そのピアノで一番いい響きを出してあげること。響きをきっちり出してあげると、自然とそのピアノのもつ最上の音色が出てくる。いまはそう思います。 大切なのは「響き」である。 「整調」とは簡単にいえばピアノを組み立てるパーツのメンテナンスとその動きの調整。「車にたとえるなら機械整備にあたる部分ですね」と中野さん。 今回の映画、「羊と鋼の森」では、ラヴェルや、ショパンの曲を中心に、多くの曲が使われていますが、宮下奈都さん(1967-)の原作では、曲についての記述はほとんどなく、映画制作の段階で「選曲」されたということです。 追求すべきは「基音」である、と。
「私はあの映画を観て本当に感動いたしました。我々の仕事が細かく再現してあることはもちろんですが、劇中に流れるピアノの音色を聴いたとき、私がこれまで追求してきた“音”は間違 調律師が10人いたら、10人の音色がでるという。そこに基準などない。でも、だとしたら一体どこに向かって音を創ればいいのだろう。 vol.28『羊と鋼の森』上白石萌音さん、萌歌さんインタビュー 「原作は本屋大賞」 とても原作を大切にしている作品だと思った。 2016年、第13回本屋大賞を受賞した宮下奈都さんの小説「羊と鋼の森」。 と言いつつ、すみません。 「どこまでも、どこまでも響くような、透明感のある音。言葉で言い表すのはとても難しいですね(笑)」  こちらの、ラヴェル作曲、「ピアノ組曲 "クープランの墓" 第6曲 トッカータ」(1914-17)は、由仁の「持ち曲」です。  福島学院大学の「教授」をされているということでもあり、日本語も「流暢」であることから、「お呼ばれ」されたのでしょうが、これは、「出演者」の方々、「エキストラ」の方々にとっても、本当に「スペシャル」な体験となったことでしょう!!  「ヒロイン」であった「上白石姉妹」は、これからも、さらなる「大活躍」が期待できそうです。本当に「楽しみ」です。(「上白石姉妹」と言い続けていると、そのうち「白石麻衣」と区別が付かなくなってくる...笑) 映画「羊と鋼の森」も、テーマを「独立」させておきましょうかね。それだけ、「ハマった」ということです。 それではまた...。           (daniel-b=フランス専門) でも、もう少ししたらまた違う、なんて思ったりするかもしれない。永遠に答えなんて出ないでしょうね。でも、今はそれを追いかけるのがとても楽しいんです」 映画「羊と鋼の森」は6月8日(金)より公開。 声優として主演したアニメ映画「未来のミライ」が7月20日(金)、映画「3D彼女 リアルガール」が9月14日(金)に公開。