二ノ国 ゲーム 面白い
コメント 今回は2011年11月に発売されたPS3「本作は平行世界「二ノ国」が舞台のファンタジーRPGですが、スーパーファミコン/プレイステーション1時代はそんな王道JRPGとも言えるゲームがそこら中にありました。挙げ出したらキリがありません。それがプレイステーション3(以下、PS3)時代に入ると急激に減少。かつての王道JRPGはニンテンドーDS/プレイステーション・ポータブルといった携帯機向けに発売されるようになり、PS3では皆無と言えるような状況でした。じゃあどんなゲームがPS3では主流だったのかと言うと「コールオブデューティ」「バトルフィールド」など欧米向けのアクションシューティングだったんですよ。国産タイトルにしても「バイオハザード」「龍が如く」といったフォトリアル系のアクションゲームばかりが目立っていました。頼みの綱だった「なんて思っていた時に発売されたのが今回レビューするPS3「二ノ国 白き聖灰の女王」になります。どれを取っても王道JRPGと言えるような内容で、悪い意味でレベルファイブの色が出ている部分もありますが、PS3ソフトとしては異色と言えるような内容です。ここからはそんなPS3「二ノ国 白き聖灰の女王」の良いと思った点からまずは書いていきます。目次2011年当時のPS3市場は二極化が進んでいました。そんな流れが出来ていました。でも、これって極端過ぎませんかね?見た目が全てではないですが、中間層が惹かれるようなタイトルが全然ないじゃないですか。そんな中、今回レビューするPS3「二ノ国 白き聖灰の女王」はスタジオジブリが制作を協力。キャラクターは一般受けするデザインで、驚いたのが、トゥーンレンダリング技術によってスタジオジブリのアニメーションをソックリそのまま3Dポリゴン化していること。あまりにもソックリなので、初めて見た時は目を疑いましたよwまあ、よく見るとぎこちなさも感じるんですが、同時期にここまで完成度が高いアニメ調の3Dモデリングは見たことがなかったので驚きました。素晴らしいことに本作ではこんな完成度の3Dキャラクターを肩越し視点で操作することが出来ます。最近のゲームをプレイしていない人が本作に手を出したら「ついにゲームもここまで進化したのか!?」とビックリしますよ!w(実際、従兄弟夫婦にやらせたら腰を抜かしていました!w)そんな映像美をさらに魅力的にしているのが、久石譲さんが手掛けたBGM。久石譲さんと言えば数多くのスタジオジブリ作品で名曲を手掛けた方になります。そのため本作で手掛けたBGMもスタジオジブリ作品に通ずる温かさや壮大さを感じられました。特にワールドマップの曲は耳に残るので、今後「ニノ国」がシリーズ化した時にも使い続けてほしいくらい。初めて本作をプレイした時はまるで故郷に帰ってきたかのようでした。本作をプレイしたのは2012年初頭でしたが、当時はフォトリアルなアクションシューティングや任天堂のアクションゲームばかりプレイしていたんですよ。一方、2000年前後によくプレイしていた王道JRPGはほとんどプレイしていませんでした。プレイするとしても携帯機向けのタイトルをたまに触るくらい。それだけに従来の王道JRPGを正当進化させたような作りの本作を初めてプレイした時は新しさと同時に懐かしさも感じられたんです。こんなこと、かつてのJRPGでは当たり前だったんですが、PS3ではグラフィックを凝ることで出来なくなったのでしょうか?一見すると王道JRPGのように見えるゲームでも街が1~2個しかなかったりして冒険している感をほとんど味わえなかったんですよ。それだけに温かくて美しい映像を動かしながら様々な街をハシゴしてキャラクターを育てていけることに嬉しさを感じていました。2004年に発売された王道JRPGのPS2「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」(以下、ドラクエVIII)。国内のPS2ソフトとしては最大のヒット作になりましたが、以下、「ドラクエVIII」と「二ノ国 白き聖灰の女王」の共通点をまとめてみました。そのうえグラフィックは「ドラクエVIII」を彷彿とさせるような3Dアニメーションを採用しているのですから、同作を彷彿しない理由がありませんw何故、こんなにも「ドラクエVIII」と共通点が多いのでしょうか?それは、開発会社が同じ「妖怪ウォッチ」や「イナズマイレブン」の影響で忘れがちですが、「ドラクエVIII」を手掛けたのはレベルファイブになるんですよ。PS3「二ノ国 白き聖灰の女王」はスタジオジブリの協力開発を得られていますが、ここまで作り込まれているのは「ドラクエVIII」の下積み時代に培ったノウハウが大きく感じます。本作はそんな方のニーズにもある程度は応えてくれます。個人的にもPS3では貴重過ぎる王道JRPGだったので重宝しました。本作は王道JRPGなので、フィールド上の敵に触れるとバトルが始まります。と言っても戦闘システムはオーソドックスなコマンドバトルでもアクションバトルでもありません。コマンドバトルとアクションバトルのエッセンスを融合させたユニークなシステムを採用しています。リアルタイム性の要素は「ファイナルファンタジー」から。イマージェンと呼ばれるモンスターを育成して戦わせるところは「ポケットモンスター」から。コマンド選択は「ドラゴンクエスト」を始めとするJRPGから持ってきている印象で、1つ1つの新鮮味は薄く感じますが、正直、レベルファイブがここまで洗練された戦闘システムを生み出した事実に驚きましたよ。あまりにも多くのゲームからエッセンスを混ぜ込んでしまった故に最初は面白さがよく分かりませんでした。しかし、慣れて来ると印象が一変。リアルタイムによる緊張感やモンスターと人間キャラを交互に操作する戦略性の高さに面白さを感じるようになりました。「ドラゴンクエストIX」が携帯機向けの異色作だったことを受けて本作をこのように名付けた人がかつては居ました。確かにレベルファイブが手掛けた美麗グラフィックの王道JRPGという点では「ドラクエVIII」の正当進化とも言えるでしょう。まず気になったのが、全体的に”やらされている感”が漂っていること。レベルファイブゲー全般に言えることなんですが、これだけでもやらされている感が生まれているのに何度も何度もプレイヤーを遠回りさせようとしてきます。例えば目の間に今、目指している物があるとします。目の前にお目当てのアメがあったら飛びつきますよね?にも関わらず面倒なお使いイベントが発生して遠回りさせられるんですよ。さらにそこから別のお使いイベントが発生するので二重で遠回りさせられているような気がしました。あまりにも遠回りし過ぎて本当の目的が何だったのか忘れるレベルですからwミニマップに目的地が表示されることはライトユーザー向けの配慮としては良いと思います。が、遠回りさせられるゲーム進行によって悪い方面にも作用している印象です。本作が「真のドラクエIX」と言えないもう一つの要因。物語は王道ではありますが、肝心な所が唐突に描かれていたり盛り上がりに欠けるシーンがあるんですよ。極め付けが棒読み気味のボイス。この辺りはプロの声優よりも人気俳優・女優を重視したキャスティングが裏目に出てしまいました。このように本作は表面的な部分は大作JRPGっぽく感じますが、脚本・演出に目を向けると素人臭さが漂っています。人によってはギャップを感じてガッカリするかも知れません。レベル上げは面倒に感じました。レベルが上がるスピード自体は問題ないのですが、そのせいでレベル上げに費やす時間が長く感じました。もちろん進化させなくてもゲームを進めることは出来るのですが、それではどこかで詰まってしまう可能性が生まれます。余程のコダワリがない限り最低1回は進化させる必要になるので、この問題点は避けられません。戦闘時は味方AIの力を借りますが、頭が悪く感じます。特に後半はAIの悪さが際立ち、そのせいで戦闘難易度が高く感じてしまい、ライトユーザー向けのハズがおすすめしにくくなっています(そもそもライトユーザーにこの戦闘システムは複雑過ぎる)。そう叫びたくなるような作風のゲームでした。若干余計な仕様が散見されますが、王道JRPGとしては丁寧に作られています。手放して絶賛することは出来ませんが、たまにプレイする分には良い作品。特に2010年代前半のHDゲーム機市場では絶滅危惧種とも言えるジャンルだったので当時は非常に重宝しました。二ノ国 白き聖灰の女王/お気に入り度【70/100%】おすすめ記事【レビュー】ペルソナ5 [評価・感想] 守るべきところは守り、あらゆる部分がパワーアップした超大作!【レビュー】インフィニット アンディスカバリー [評価・感想] システムを無駄なくらい複雑にした消化不良な作品【レビュー】風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!